本日、公布63周年を迎えた憲法は、基本的人権の尊重、国民主権そして平和主義を基本原理としており、その原理に基づいて、一人ひとりが大切にされる社会をつくるという、この国のあり方を指し示しています。

 ところが、この原理に抵触し、矛盾する政治が続いてきたために、格差が拡大し、貧困が社会全体に進行し、生存そのものが脅かされ事態になってきています。青年の就職難や劣悪な労働条件、労働者の働く権利の後退等も重大な問題です。自衛隊の海外派遣を本来任務とし、集団的自衛権までも認めようとする政治は、もはや9条を逸脱していると言わざるを得ません。

 この8月の総選挙で、戦後政治を担ってきた自民党が大敗し、民主党を中心とする連立政権が誕生しました。改憲を目的とする新憲法制定議員同盟の主要な会員が大量に落選したことも一つの特徴です。こうした新しい政治状況のもと、9条を改悪しようとするこれまでの動きがどのように展開していくのかは不透明です。しかし、9条改憲をねらう動きがなくなることはありませんし、改憲のための手続きを定めた国民投票法の施行日が来年5月に到来します。政権を担当することになった民主党は、結果としていわゆる護憲政党の議席の極端な減少をもたらす衆議院比例定数削減を選挙公約に掲げていました。このように、9条をめぐる危険な状況は基本的には変わっておらず、今も続いていることを軽視してはなりません。

 私たちは、本日、憲法公布記念日を迎え、一人ひとりの人間を大切にする憲法の存在意義をあらためて確認し、とりわけ日本と世界の平和のために9条を全世界に輝かせたいと決意して、全ての人たちに呼びかけます。

 9条を守り、生かすために、手をつなぎましょう。そして私たちとごいっしょに、この国の平和と未来をつくっていきましょう。

2009年11月3日 憲法集会参加者一同