憲法公布65年を迎えた今年の憲法集会は、〝いのち・くらし・平和 生かそう憲法 守ろう9条〟をテーマに、円山野外音楽堂で開催され、1400人が参加しました。今年も集会とともに、府内いっせい行動が呼びかけられ、宮津・亀岡・乙訓・伏見・左京の各地域(集約分のみ)で、宣伝・ピースウオークがおこなわれました。
集会は、うたごえ協議会のみなさんのうたごえで参加者を迎えました。オープニングは1年前のこの集会で蘇った平和おどりが寸劇とともに再演され、南斎子さん(憲法9条京都の会世話人・真宗大谷派僧侶)が主催者あいさつしました。
憲法学者の澤野義一さん(大阪経済法科大学教授・憲法9条京都の会世話人・憲法を生かす京都の会会長)が憲法をめぐる情勢について講演。民主党政権は政権交代2年を経て自民党政治と変わりない保守政治に回帰したと指摘。憲法審査会委員選考の強行や消費税増税、比例定数削減、原発の再稼働、米軍普天間基地の名護市辺野古への「移設」などの動きを批判。また東日本大震災と原発事故をテコにした改憲の動きの危険性について解明しました。原発と憲法の関係について、澤野さんは脱原発・新エネルギーへの転換を主張していた菅首相から野田政権に代わり、原発再稼働をすすめ安全性の確認もされていない原発を輸出する無責任さを批判し「放射能汚染は生存権や環境権を侵害するものであり、原発再稼働は憲法違反」と述べました。世界でも、コスタリカやオーストリアの憲法では原発の違法性が認められ、パラオ・ミクロネシアの憲法でも原発稼働を禁止していることが紹介されました。
神田香織さん(講談師・福島県いわき市出身)は、同市の被災状況や支援するNPOを立ち上げたことを紹介し、平和への熱い思いを語りました。講談「はだしのゲン」を創った年にチェリノブイリ原発事故が起こったことにもふれ、講談「はだしのゲン 原爆投下のその日まで」を熱演しました。屋外にも関わらず、1400人の参加者は身じろぎもせず聞き入り、いのちと平和にむけての熱気が会場を被いました。公演後、舞台上で、コミック版「はだしのゲン」プレゼントの抽選会がおこなわれ、神田香織さんがくじを引き、3人の小・中学生が当選しました。
集会は、集会宣言を参加者で確認したのち、チンドンやさんを先頭に、京都市役所前まで憲法ウオークを行い、〝生かそう憲法 守ろう9条〟と市民に呼びかけました。