日本国憲法公布65周年の今日、私たちは「いのち・くらし・平和 生かそう憲法守ろう9条」をテーマにしてつどいました。
今年ほど、「いのち・くらし・平和」という言葉のもつ意味が、さまざまな思いで問われた年はありません。

東日本大震災そして東京電力福島第一原子力発電所の炉心溶融事故は、甚大な被害をもたらし、被災地の人々の生活基盤を根底から覆しました。とりわけ、原発事故によって大量の放射性物質が大気中、海中に放出され、放射性汚染水が漏出し続け、その放射能汚染により、10万人をこえる人々が避難生活に追いこまれ、今も、人々のくらし、環境、身体へ、重大かつ深刻な影響を与え続けています。同時に、原発の稼働そのものが、被爆労働のもとに地球環境に回復しがたい被害を蓄積し続けており、また、客観的には核兵器開発の準備となっていることも、無視できない事態です。
いのち・くらし・平和を考えたとき、原発事故は、もう二度と発生させてはなりません。原発の安全神話が崩壊し、本質的に危険性をもつ原発を、安全に制御することが不可能であることが明らかになった今、私たちは、原発優先の国の政策を根本から転換させる必要があります。

今年、改憲手続法に基づく憲法審査会がいよいよ始動し始めました。明文改憲を許すのかどうかをめぐり、新たな段階へ突入したと言わなければなりません。そのもとで、改憲手続を容易にするために、発議要件を緩和する憲法96条改悪と護憲派議員を排除する衆議院比例定数削減が狙われています。これらは、9条改憲をめざしての巧みな動きであり、その実現を許してはなりません。
同時に、新防衛大綱は、政府自身が自衛隊の合憲解釈の根拠としてきた専守防衛の立場を転換し、米軍と一体となって自衛隊を世界各地に展開できる構想を打ち出しました。その具体化として、自衛隊の南西地域への配備、武器輸出三原則やPKO五原則の見直し、秘密保護法制づくりが進められようとしています。ジブチへの自衛隊基地設置や南スーダンPKOへの自衛隊施設部隊派遣など、自衛隊の海外派兵を既成事実化し、恒久化する動きも強まっています。このような、明文改憲に向けた地ならし的な実質改憲を許さない声を大きく広げていくことが重要です。
沖縄では、日米両政府から執拗に繰り返される、辺野古への新基地建設強要に反対し、普天間基地の閉鎖撤去と県内移設を許さない県民総ぐるみの取り組みが繰り広げられています。私たちは、この沖縄の取り組みに連帯し、沖縄から日本から、全ての軍事基地をなくすことを日米両政府に求めるものです。

はだしのゲンの悲しみを、再び誰にも与えてはなりません。
いのち・くらし・平和のために、この国のあり方を、主権者である私たち自身の手で、新しく創造していこうではありませんか。

2011年11月3日 憲法集会参加者一同