平和おどり復活へ レコード見つかり振り付けも判明
京都新聞 2010年10月17日より

 新憲法公布を記念して京都市民3万人が踊ったとされる「平和おどり」が、公布日にあたる11月3日に同じ会場の円山公園(東山区)で63年ぶりに再現される。踊りに参加した女性が手がかりを探していることを紹介した本紙夕刊記事がきっかけでレコードが見つかり、振り付けを覚えている人も名乗り出た。女性は幅広い参加を呼び掛けており、「踊ることで平和を見つめ直してほしい」と話している。

 平和おどりは新憲法の普及を目的に京都新聞社が紙面で歌詞を公募した。作詞家西條八十や歌人吉井勇らが審査し、公布翌年の1947年5月に円山公園で発表会が開かれた。そこで踊った中京区の川井禎子さん(79)が「あの開放感をもう一度味わいたい」と、本紙を通して資料や証言を求めていた。

 レコードは山科区の収集家、井元清さん(75)が保管していた。記事を読んだ井元さんがCDに録音し、川井さんに提供した。

 振り付けは東山区で料理店を営む生田邦枝さん(73)がほぼすべてを覚えていた。当時は小学4年。複数の学校の児童でつくっていた「教育舞踊研究會」の一人として、円山公園での発表会に参加していた。「進駐軍のキャンプでも踊った。軽やかな動きが忘れられず、歌は最近もよく口ずさんでいた。まさか再び踊れるとは」と喜ぶ。

 踊りの参加希望者は川井さんの知り合いを含め約100人に膨らんだため「平和おどり普及会」を発足、練習を重ねている。

 踊りの指導は当時振り付けを担当した上方舞の楳茂都(うめもと)陸平の流れをくむ楳茂都梅衣華(うめきぬはな)さん(63)=北区=が手がける。

 3日午後3時から「憲法9条京都の会」が開く憲法集会で披露する。練習会を今月24日正午から四条大橋東詰のレストラン菊水(東山区)で開く。ともに当日参加可能。川井さんは「若者にも参加してもらい、体で当時の憲法に託した希望を感じるきっかけになれば」と話す。
問い合わせは川井さんTEL075(803)0500。

憲法9条京都の会 事務局